お知らせ

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2024.06.16 コラム 利益剰余金を資本金にする増資

 ここ数年の物価上昇は各業種で様々な影響を与えていますが、今回は、とある建設業の会社が物価上昇の影響で契約金額が増え、特定建設業の許可が無ければ受注できない工事が増えたため増資を行ったのですが、その際に行った無償増資の中の一つである利益剰余金を資本金へ振替えて増資するやり方を紹介したいと思います。

 新株を発行して増資をするやり方は、追加出資のための資金の用意や時価評価など手間と時間が掛かりますが、利益剰余金を資本金へ振替えるやり方は、株主総会での決議と仕訳を1本追加するだけで良く、追加の資金投入も手間も掛かりません。昔はみなし配当とされ課税されましたが、今は課税されずにできるようになっています。後は他のやり方で増資した場合と同じく変更登記や異動届出書の提出し、登録免許税を納めて増資は完了となります。

 ただし、利益剰余金がマイナスの場合やマイナスになる金額の設定はできません。また、資本金が増加する場合は以下のデメリットがあることに注意が必要です。
・資本金の額により均等割が増加し助成金や補助金が受給できなくなるものがある
・資本金が1億円を超えると中小企業の優遇税制が受けられなくなり、外形標準課税の対象となる
・設立1期目の免税事業者が途中で増資し資本金が1,000万円以上になると2期目は課税事業者になる(3期目からは基準期間の課税売上高で判断するため資本金は関係ありません)