2023.12.12 コラム 国外居住親族に係る扶養控除等の適用について
本年も年末調整の時期となりましたが、
技能実習生や特定技能実習生を雇用されている事業者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回は国外居住親族に係る扶養控除等の適用についてまとめていきたいと思います。
まず、海外に居住する親族を扶養控除等の対象にできるのかという点を確認する必要があります。
扶養控除等の適用を受ける為には、下記の条件を満たしている必要があります。
⑴「親族」であること
「親族」とは6親等内の血族、配偶者、3親等以内の姻族を指します。
⑵下記の書類を給与等の支払者に提出(提示)すること
<扶養控除に係る確認書類>
<配偶者控除、配偶者特別控除又は障害者控除に係る確認書類>
注)
●親族関係書類
「親族関係書類」とは、次の①又は②のいずれかの書類(日本語での翻訳文も必要です。)で、非居住者である親族があなたの親族であることを証するものをいいます。
① 戸籍の附票の写しなど日本国又は地方公共団体が発行した書類及び非居住者である親族の旅券(パスポート)の写し
外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(非居住者である親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるものに限ります。)の原本
(注)例えば、戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書などの書類が該当します。
●送金関係書類
「送金関係書類」とは、次の書類(日本語での翻訳文も必要です。)で、あなたがその年において非居住者である親族それぞれの生活費又は教育費に充てるための支払を行ったことを明らかにするものをいいます。
① 金融機関が発行した書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引によりあなたから非居住者である親族に支払をしたことを明らかにする書類
② いわゆるクレジットカード発行会社が発行した書類又はその写しで、非居住者である親族がそのクレジットカード発行会社が交付したカードを利用して商品の購入や役務提供を受けたことに
対する支払をしたことにより、その代金に相当する額の金銭をあなたから受領し、又は受領することとなることを明らかにする書類
(注) 1 送金関係書類には、例えば、次のような書類が該当します。
なお、知り合いの方に依頼して 生活費等を現金で非居住者である親族に渡している場合などは、送金関係書類がないことになり、
扶養控除等の適用を受けることができませんのでご注意ください。
① 外国送金依頼書の控え
※ その年において送金をした外国送金依頼書の控えである必要があります。
② クレジットカードの利用明細書
※クレジットカードの利用明細書とは、あなたがクレジットカード発行会社と契約を締結し、非居住者である親族が使用するために発行されたクレジットカードで、
その利用代金をあなたが支払うこととしているもの(いわゆる家族カード)に係る利用明細書をいいます。
2 複数人の非居住者である親族について扶養控除等の適用を受ける場合は、その親族ごとに送金等を行うことが必要となります。
したがって、例えば、配偶者と子が非居住者である親族に当たる場合で、配偶者に一括して生活費を送金しているときは、
その送金関係書類は配偶者に係る送金関係書類には該当しま すが、子に係る送金関係書類には該当しないことになります。
3 送金関係書類については、扶養控除等の適用を受ける年に送金等を行った全ての書類を提出又は提示する必要があります。
4 16 歳未満の非居住者である親族(扶養控除の対象とならない扶養親族)であっても障害者控除を受ける場合には、親族関係書類及び送金関係書類の提出又は提示が必要です。
●38万円送金書類
「38万円送金書類」とは、「送金関係書類」のうち、あなたから非居住者である親族各人へのその年における支払の金額の合計額が 38 万円以上であることを明らかにする書類をいいます。
(注) 38 万円送金書類については、扶養控除の適用を受ける年に送金等を行った全ての書類を提出又は提示する必要があります。(例外あり)
詳細につきましては下記に国税庁ホームページのリンクをご参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/kokugai/index.htm
(参照:国税庁 令和5年1月以後に 非居住者である親族について扶養控除等の適用をうける方へ)