2021.11.27 スタッフブログ 電子取引データの保存について
1. 電子帳簿保存法上の電子取引に係る保存方法の変更について
電子帳簿保存法の改正法が施行される令和4年1月1日以後に行われる電子取引については、電子帳簿保存制度を導入している・いないにかかわらず、メール添付で取引先から受領した請求書などを書面出力(印刷)して保存する方法は認められなくなり、電子帳簿保存法の要件に則った方式で電子保存する必要があることとなります。
また、国税庁は「電子帳簿保存法Q&A(一問一答)」において「令和4年1月1日以後に行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、その電磁的記録を出力した書面等による保存をもって、その電磁的記録の保存に代えることはできないこと」を明記するとともに、「災害等による事情がなく、その電磁的記録が保存要件に従って保存されていない場合は、青色申告の承認の取消対象となり得ること」も公表していました。
2. 青色申告の承認の取消しリスクについて
上記1. のQ&Aに対する納税者の不安の声に対し、国税庁は令和3年11月12日に以下のような追加情報を発信し、各企業での電子取引データの保存方法・取扱いが青色申告の取消しには直結しないことを公表しました。
「電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務に関する今般の改正を契機として、電子データの一部を保存せずに書面を保存していた場合には、その事実をもって青色申告の承認が取り消され、税務調査においても経費として認められないことになるのではないかとの問合せがあります。これらの取扱いについては、従来と同様に、例えば、その取引が正しく記帳されて申告にも反映されており、保存すべき取引情報の内容が書面を含む電子データ以外から確認できるような場合には、それ以外の特段の事由が無いにもかかわらず、直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではありません。」
上記の取扱いが公表されたことで、改正電子帳簿保存法における電子取引データの保存方法の規定そのものには変更はないものの、特に中小企業への急激な事務処理負担の増加は避けられるのではないでしょうか。