2025.09.09 スタッフブログ 「万物は渋滞する~渋滞学とは何か~」を聞いて
ゴールデンウィークやお盆の故郷への帰省時に生じる高速道路の渋滞は常態化しています。今年も例外ではありませんでした。
私はこの夏 東京で行われたある研修会で、渋滞学で有名な東京大学の西成活裕先生の「万物は渋滞する~渋滞学とは何か~」という講演を聞く機会がありました。
今回、その内容を少しお話しさせて頂きます。
渋滞は大きく次の2つのタイプ分けられるとのことです。
① ボトルネック型(道路の構造などを主因とする渋滞)…料金所やインターチェンジの合流地点など道路が物理的に狭くなる区間で発生する渋滞で、私達が一般的に認識しているものと思います。 |
② メタ安定型(運転手の運転方法を主因とする渋滞)…先を急ぎスピードを出したまま無理して車間を詰めすぎた不安定状態の車群→ザグによるかく乱・不安定化(緩やかな上り坂などで運転手がその上り坂に気付かずに運転しスピードが少しずつ原則してしまう等々)→自然渋滞が発生 厄介な渋滞は②のメタ安定型でありますが、この解消には適切な車間距離が必要とのことで、その車間距離は「40メートル」が適切とのことでした。 正に、『急がば回れ!』ということでしょうか。 ※メタ安定…一見安定しているように見えても、わずかなきっかけで不安定な状態に陥る可能性を秘めた状態をいう。 |
渋滞はそれに巻き込まれた私達に多くのストレスを与え、貴重な時間を浪費させるものであり、正に“無駄”なものといえます。
では何を無駄というのでしょうか?
西成先生は次の3つのことを決めることによって、それが無駄か否を判断することが出来るといいます。
① 「目的」を決める(別の目的では有益になっているかもしれない)
② 「期間」を決める(いつか役立つかもしれない)
③ 「立場」を決める(誰にとって無駄なのか)
中でも②の「期間」は重要で、会社経営上 最重要課題の一つである人材育成においては、確かな信念をもって「期間」の設定をしたいものと感じました。
先日ある製造業の経営者の方とお話をする機会があり、これらを話ししたところ、工場稼働率の話しになり、工場稼働上トラブルは必ず生じるものであり、決して100%の稼働率は追及していないとのことでした。(メタ安定は求めていないとのことでした。)
残暑が続きます。どうぞ皆様ご自愛ください。