2020.03.30 コラム 低未利用土地等を譲渡した場合の100万円控除の創設
(令和2年度 税制改正)
1.改正の概要
(1) 内容
個人を対象に低未利用土地等(※)を譲渡した場合で、下記要件を満たすときはその年中の低
未利 用土地等の譲渡に係る長期譲渡所得の金額から100万円を控除できる制度が創設されま
す。 (※)低未利用土地またはその土地の上に存する権利をいう
(2) 適用要件
項 目
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内 容
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市町村長の 確認
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低未利用土地等であること及び譲渡後の土地利用について市長の確認がさ れていること
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所有期間
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譲渡する年の1月1日において所有期間が5年を超えていること
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買主
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売主の配偶者、その他売主と一定の関係がある者に対する譲渡でないこと
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譲渡価格
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譲渡価格が500万円以下であること(当該土地上に建物がある場合は建物 価格も含む)
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前年以前の適用 の有無
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適用を受けようとする低未利用土地と一筆の土地から分筆された土地等に ついて、その年の前年または前々年にこの制度の適用を受けていないこと |
2.適用時期
土地基本法等一部改正法の施行日又は令和2年7月1日のいずれか遅い日から令和4年12月
31日までの間の譲渡に適用されます。
3.実務上の留意点
低未利用土地等とその上にある建物等を一括譲渡した場合には、建物等の譲渡に係る譲渡所
得の金額からは控除できない。
4.今後の注目事項
(1) 低未利用土地等の定義および市町村長による確認方法
(2) 本制度適用にあたり、各種特例との重複適用の可否、共有の場合の譲渡価格に対する控除
額の判 定方法および適用要件を満たすことを証明する書類の添付の要否などの確認
なお、低未利用土地とは適正な利用が図られるべき土地であるにもかかわらず長期間利用されていない
「未利用地」と、周辺地域の利用状況に比べて利用の程度が低い「低利用地」などを言います。また、これ
らの土地の多くは売却額が低いため相対的に解体費等の譲渡費用の負担がのしかかり、さらに譲渡所得税
の負担もあることから、土地を売らずに空き地として放置しまうため、低未利用土地は増加傾向にありま
す。
低未利用土地の増加は、所有者不明土地の増加要因にもなっており、政府は、社会問題化している所有
者不明土地の発生抑制・解消のため、売主にインセンティブを与えることで、低未利用土地の譲渡促進を
税制面からバックアップするというのが目的です。
適用期間が2年半ということもありますので、該当しそうな不動産を所有されている場合は、この際前向
きにご検討されてはいかがでしょうか。
お問い合わせ事項がありましたら当事務所、もしくは丸五不動産にご相談ください。
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