2019.11.08 コラム ◆ 新しい最低賃金(時給848円)が10月4日よりスタート
長野県の新しい最低賃金は、令和元年10月4日より、昨年の最低時給821円から27円アップした848円でスタートしました。最高は東京都の1,013円、最低は790円(東北地方や四国、九州の県が多く計14の県)です。長野県は、全国の概ね中位の額となっています。
最低賃金は、雇用形態に関係なくすべての労働者に適用されます。また、使用者は、最低賃金の額、算入しない賃金の内容、効力発生日等について、掲示するなどの方法により周知する必要があります。
さて、その最低賃金の計算方法ですが、どのようにしたらよいでしょうか。以下ご説明します。
◆ 最低賃金の計算方法
1.最低賃金の対象となる賃金を調べる。
最低賃金の対象となるのは、毎月支払われる基本的な賃金です。
【最低賃金とならない賃金】
通勤手当、家族手当、財形貯蓄手当、精皆勤手当、結婚手当など臨時的賃金、時間外手当、賞与
【最低賃金の対象となる賃金】
基本給及び左の欄に記載のない賃金で、定額で支払われる手当(職務手当、給食手当など)
2.時間給を計算する
①月給の場合の例
基本給 130,000円 職務手当 30,000円 通勤手当 5,000円
時間外手当35,000円 合計 200,000円
1ヶ月の所定労働時間 176時間(年間総労働時間数/12) の場合
(基本給 + 職務手当)/ 所定労働時間
=160,000円/176H= 909円
909円> 848円 となり、最低賃金以上となります。
②時間給@800円の場合の例
時間給(160H) 128,000円 職務手当 10,000円 通勤手当 5,000円
時間外手当12,000円 合計 155,000円
1ヶ月の所定労働時間 160時間(年間総労働時間数/12) の場合
時間給 +(職務手当/ 所定労働時間)
800円+ 10,000円/160H= 863円
863円> 848円 となり、時給は800円ですが、職務手当は加算するため、最低賃金以上となります。
◆最低賃金計算のポイント
1.最低賃金は毎年10月に改定されます。9月になったら、最低賃金の情報を確認しましょう。月給制の社員についても、最低賃金をクリアしているかどうか、不明な場合は、計算をしてみましょう。
2.時給のケースは、単純に支払った時間給のみで判断してしまいがちですが、職務手当など最低賃金の対象になる賃金もありますので、必ず確認し、計算をしましょう。
(以上)