お知らせ

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2025.01.10 コラム 税制改正大綱:iDeCoの掛け金限度額の増額

iDeCo(個人型確定拠出年金)は国民年金や厚生年金に上乗せする私的年金のひとつで、原則60歳まで引き出せませんが、掛け金の全額が所得税の所得控除の対象となり、運用益も非課税となるといった優遇措置があります。今般の税制改正大綱では、その掛け金の限度額を引き上げるとされております。企業型DCなどの制度をもたない会社の従業員は、掛け金の上限を月2万3000円から月6万2000円に引き上げ、自営業者やフリーランスについては国民年金基金との共通拠出限度額を6万8000円から7万5000円に引き上げをするとされております。

ただし、増額をする際には、受取り方の基本的な注意点について確認しておきましょう。iDeCoの受取り方には、「年金」「一時金」「年金と一時金の組み合わせ」の3種類があります。

年金として分割して受取る場合は「雑所得」として取り扱われ、他の公的年金等の受取額と合算したうえで「公的年金等控除額」を控除した残額が課税対象となります。

一時金として受け取る場合は「退職所得」として取り扱われ、「退職所得控除」の対象となります。退職所得控除は、勤続年数により控除額が増加していきます。iDeCoの一時金受取の場合は、勤続年数=iDeCoの加入年数として退職所得控除額を計算します。現行制度では、 退職手当等の一時金の支払を受ける年の前年以前4年内に、iDeCoの一時金を受給している場合には、退職所得控除の計算上、勤続年数等の重複排除調整の対象とするとしていますが、今般の税制改正大綱によると前年以前9年以内に受給したものは、勤続年数を重複して控除ができないように改正されます。

以上のようにidecoは、受取時の所得税についても考慮して掛金増額を検討したほうがよいでしょう。将来(原則60歳以降)積み立てた資産を受取る時に、公的年金等控除額や退職所得控除額などが改正されてしまう可能性もあります。最適な受取り方や、受け取るタイミングを税制改正の動向等をチェックしながら、検討したほうが良いかもしれません。