2024.04.17 コラム 2ヶ月を切りました!定額減税のスタート
物価高対策として実施される「定額減税」の開始まで2ヶ月を切りました。
6月1日のスタートに向けたご準備はいかがでしょうか。
1人あたり所得税から3万円、住民税から1万円の計4万円が特別控除される、この「定額減税」制度ですが税理士ですら「ややこしい」と口をそろえるほど複雑な制度で、経理事務の現場では大混乱が予想されています。
制度の概要は、「2024.03.23/コラム/令和6年分 定額減税の概要」をご確認ください。
今回は、注意すべきことの中から2点をご案内します。
(1)特別控除の繰り越し(月次減税)
住民税は6月分の給与では天引きされず、定額減税後の額を11分割して、7月分から翌年5月分の給与で特別徴収することとなります。
所得税は給与や賞与の額によっては6月分に3万円が引かれて特別控除が終了する一方、3万円が引ききれなかった場合には、翌月、翌々月と特別控除(月次減税)は繰り越されていくこととなります。結果、毎月の給与でどこまで月次減税したかを管理する必要があらたに生じます。
(2)年末調整とは異なる情報の収集
今回の制度は例年の年末調整で行なっている配偶者控除や扶養控除の範囲とは対象が一致しません。このため、あらためて情報を収集する必要が生じます。
例えば、納税者本人と同居している16歳未満の扶養親族が何人いるかの確認が必要です。年末調整では児童手当の対象となるため対象外となり情報を把握していないことが考えられるからです。
また、外国人の出稼ぎ労働者を雇用している場合にも注意が必要です。定額減税には「家族が居住者であること」という条件が付されているため、海外の家族分は、扶養控除はできても定額減税の対象にはなりません。
他にも年末調整とは異なる同一生計配偶者の確認など、会社がすべきことは多いです。直前になって大慌てとならないよう、早めに対策を始めましょう。
出典:エヌピー通信社:「納税通信第3817号」