2023.06.12 コラム インフルエンサーに支払う報酬は源泉徴収が必要か?
企業がインフルエンサー[SNSのフォロワーが多いなど一定の影響力を持つ個人]に自社商品のPRを依頼して、使用した感想などをSNS投稿してもらったことに対して支払う報酬は、源泉徴収の対象として列挙されている下記のいずれにも該当せず、源泉徴収は不要となります。
①原稿料に該当するのか?
インフルエンサーへの報酬の支払は、インフルエンサーがSNSに投稿したものに対して行われ、企業に対する文章等の譲り渡しに基づいていないため 「原稿料」 には該当しません。
②広告宣伝のための賞金に該当するのか?
源泉徴収の対象が、企業が事業の広告宣伝のために賞として支払われる賞金品に限定されていますので、インフルエンサーへの報酬は賞として支払われるものではなく 「広告宣伝のための賞金」 には該当しません。
③モデルなどに支払う報酬に該当するのか?
インフルエンサーがSNSに自身の容姿とともに投稿したとしても、源泉徴収の対象は、雑誌・広告その他の印刷物にその容姿を掲載させて受け取る報酬とされており、SNSは印刷物に該当しませんので、企業がSNSに投稿されたインフルエンサーの容姿等を印刷しない限りは 「モデルなどに支払う報酬」 には該当しません。
上記の通り、基本的にはインフルエンサーへの報酬には源泉徴収は必要ありません。ただし、インフルエンサーと契約して商品の共同開発等を行って報酬を支払った場合など、内容によっては源泉徴収の対象となるケースもありますので、実態に基づき判断することが必要です。